本教室 細井雄一郎特任助教が執筆した、肝硬変患者に対するリハビリテーション治療と評価方法に関するスコーピングレビューがBMC Gastroenterologyに掲載!
投稿日:2025年5月21日
■掲載雑誌 / BMC Gastroenterology
■論文タイトル / Title
Mapping of rehabilitation interventions and assessment methods for patients with liver cirrhosis: a scoping review
■著者 / Authors
Yuichiro Hosoi, Michiyuki Kawakami*, Daisuke Ito, Takayuki Kamimoto, Hiroteru Kamimura, Takumi Kawaguchi, Shuji Terai, Tetsuya Tsuji (*責任著者)
■内容 / Contents
本スコーピングレビューでは、肝硬変患者に対するリハビリテーション医療の詳細な構成要素と評価方法を明らかにすることを目的としました。
スクリーニングの結果、2,314件の論文のうち、18件が採用されました。運動療法で最も多く用いられた方法は、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせたプログラム(55.6%)でした。多く用いられていた評価方法は、6分間歩行距離(44.4%)と、生活の質(QOL)評価の慢性肝疾患質問票(33.3%)でした。介入期間は、1日30~60分、週2~7日、8~12週間であり、運動強度の設定に関しては、主観的疲労度と心拍数が多く用いられました(38.9%)が、詳細な記述は限られていました。
肝硬変患者に対する効果的な運動療法を確立するためには、今後の研究において、個々の患者のニーズに合わせた運動強度設定の調整に重点を置く必要があり、さらに、この分野の研究の質と比較可能性を向上させるためには、介入の詳細と評価方法の標準化された研究が必要であることが示唆されました。
本レビューは新潟大学、久留米大学との共同で行われ、以下の研究助成を受けて実施されました。
1)AMED肝炎等克服実用化研究事業 肝炎等克服緊急対策研究事業
2)研究課題:肝硬変症に対するリハビリテーション医療の確立、筋肉再生―肝臓修復機構の解析を通じた新たなバイオマーカーの探索
3)研究開発代表者:寺井崇二教授(新潟大学)
4) 研究開発分担者:辻哲也教授、川上途行准教授
5)研究交付年:2023年度から2025年度
この論文はオープンアクセスのため、下記のサイトでダウンロード可能です。
https://bmcgastroenterol.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12876-025-03881-4