先進的リハビリテーション入院治療
入院でのリハビリテーション治療について
当院では脳卒中などによる手足の麻痺がある方を対象に、先進的なリハビリテーション治療を実施しています。発症後数年間が経過した方であっても、集中的なリハビリテーション治療により運動機能が改善することが報告されています。
対象疾患例:脳梗塞、脳出血(脳動静脈奇形破裂・もやもや病を含む)、脊髄損傷の上肢麻痺
その他にも入院治療の適応となる疾患もございますので、当科へご相談ください。

IVES/HANDS療法は上肢麻痺を対象とした神経筋電気刺激療法です。1日8時間の装着を通してつまみ動作をサポートし、上肢機能の改善や日常生活での実用性向上を目指します。運動機能のほか、指を曲げる筋肉の痙縮や感覚障害が改善したという報告もあります。腕は胸の高さまで上げられるものの、指の曲げ伸ばしが難しい方が主な対象となります。

肩の機能向上は、手の麻痺の治療において重要と言われています。肩周りの筋肉に電気刺激装置(IVES)を装着し、前方へのリーチ動作(腕を前や上に伸ばす動作)をサポートしながら作業療法や日常生活動作を訓練します。より安定して麻痺した手を使えるようになるための土台作りを目指します。

リハビリ用長下肢ロボットは、歩行機能の回復をサポートします。装着したロボットが足の動きを感知して、患者様の歩行をアシストすることで、より自然な歩行獲得を目指したリハビリが可能になります。脳卒中などで歩く力が弱くなった方の運動機能の改善を目指し、転倒しにくい設計で、個々人の麻痺の程度に合わせてサポート力が調整可能です。自立歩行可能な方が適応となります。

KINVIS(視覚誘導運動錯覚) 療法では、麻痺した手の上にCG映像を映し出し、あたかも自分の手が動いているように感じる運動錯覚を引き起こします。この錯覚が脳に働きかけ、実際の運動機能の回復を促すことが期待されています。脳卒中後の重度上肢麻痺がある方にも、運動の再学習や手の動かしやすさの改善を目的として行われます。

当院では脳卒中や脳腫瘍手術後の、手の麻痺のあるお子様を対象とした入院リハビリテーション治療(HANDS療法やロボット訓練等)を実施しています。お子様が楽しんでかつ集中してリハビリテーションに取り組めるよう、チーム一丸となってサポートいたします。また、長期的に機能を維持・向上できるよう、退院時には保護者の方への入院経過説明や自宅での訓練指導も充実させています。
その他のリハビリテーション治療
その他にも当院では様々な機器や薬剤を用いたリハビリテーションを提供しています。

痙縮が強い場合に
おすすめすることがあります

前腕回内外動作訓練
(腕を内側・外側にひねる)

MR(複合現実)技術を活用した
リハビリテーション治療
実際の入院スケジュール

OTが1時間、PTは週2-3回となります。
初回入院時にSTによる高次脳機能評価を
実施します。
(言語訓練は実施していません)
自主トレーニングの時間が多くなります。
初めは医師、作業療法士から訓練内容を
指導させていただきます。


リハビリテーション治療によって麻痺した手足が再び動かしやすくなっても、「家ではどのように使って良いかわからない」、
「使わないので、結局また動かしづらくなってしまった」というお悩みをお持ちになる場合があります。
こうした問題を解決するために、麻痺のある手足を生活の中でどのように使い続けるかについて、スタッフが患者さんと一緒に具体的な日常生活上の工夫やリハビリ目標を考えます。入院中はもちろん、退院後の生活や自主訓練内容についても、診療チーム一丸となってご支援いたします。
当科入院を希望される患者さまへ
慶應義塾大学病院リハビリテーション科では、脳卒中や中枢神経系損傷後の上肢麻痺を対象とし、入院による先進的リハビリテーション治療を実施しています。希望される場合は当科外来にて、医師が運動麻痺や全身状態を診察し、治療適応を判断しております。詳細はこちらのページをご覧ください。



