本教室 細井雄一郎特任助教が執筆した、小児期に脳卒中を発症した2例に対する異常歩行パターン改善を目的とした歩行支援ロボットを用いた歩行練習の安全性と有効性を検証した論文がPhysical & Occupational Therapy In Pediatricsに掲載!
投稿日:2025年12月10日
■掲載雑誌 / Physical & Occupational Therapy In Pediatrics
■論文タイトル / Title
Robot-Assisted Gait Training to Improve Gait Patterns in Two Adolescents with Childhood-Onset Stroke: A Case Report
■著者 / Authors
Yuichiro Hosoi, Takayuki Kamimoto, Tomoyuki Noda, Taiyo Kawaguchi, Tatsuya Teramae, Yuka Yamada, Tetsuya Tsuji, Michiyuki Kawakami* (*責任著者)
■内容 / Contents
本症例報告では、小児期に脳卒中を発症した異常歩行パターンの異なる2名の青年を対象に、空気圧人工筋を用いた二関節制御型歩行支援ロボット練習(Robot-Assisted Gait Training; RAGT)の安全性と有効性を検証することを目的としました。
両症例(症例1: 15歳,症例2: 18歳)とも3週間にわたり10回のRAGTを実施し、介入前後で、快適歩行速度、歩行持久力(6分間歩行テスト)、歩行対称性(時間的対称性/運動学的対称性)、および安全性を評価しました。
両症例とも有害事象なくRAGTを実施することができ、快適歩行速度は、症例1では0.78 m/sから0.99 m/sに、症例2では0.98 m/sから1.36 m/sに改善しました。さらに歩行時の時間的・運動学的対称性と異常歩行パターンに改善がみられました。
以上の結果から、小児期に脳卒中を発症した青年に対するRAGT は安全に実施することができ、歩行能力だけでなく歩行時の対称性や異常歩行パターンの改善に寄与する可能性が示唆されました。
慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室では,今後も小児患者を対象とした歩行支援ロボットを用いた臨床研究を推進してまいります。
この論文はオープンアクセスのため、下記のサイトでダウンロード可能です。
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/01942638.2025.2591294



