患者さんに長く寄り添っていたい
そもそもリハビリテーション科の存在を知ったのは研修医になってからでした。私は生まれも育ちも東北の岩手県で、大学も地元で進学しました。私が学生の頃、大学病院にはリハビリテーション「部門」はあったものの独立した科としては存在しておらず、リハビリを専門とした医師はいませんでした。そのため学生時代はリハビリというものに全くと言っていいほど触れてきませんでした(リハビリに関連した授業があったのかもしれませんが、正直記憶にありません笑)。
大学も高学年になると、将来は患者さんに長く寄り添えるような医師になりたいと思い始め、神経内科で変性疾患を専門とするのがいいのかな、と考えるようになりました。そこで母校の神経内科の先生の推薦もあり、初期研修は東京の慶應義塾大学病院にて行うこととしましたが、ここには「リハビリテーション医学教室」なるものがあり、科としても独立して存在して
いました。最初は何をしている科なのか全く想像もつきませんでしたが、リハビリテーション科をローテートした研修医の同期の話を聞いているうちに段々と興味を持ち始め、担当患者さんの訓練を見に行ったり、シニアの先生達の話を聞いたりするにつれて、私が目指していた「患者さんに長く寄り添える医師」になるにはがこの科が最適なのではないかと思うようになりました。
私はいずれ地元に戻り、医師不足に悩む岩手県の地域医療を支えていこうと考えています。詳しく話を聞いてみると、リハビリテーション科を専門として若いころから教育を受けたリハ科医の数は地域医療においては特にまだ少なく、それは岩手も同様、ということでした、ということでした。日本でトップレベルの研究・最先端の治療を行なっており、さらに充実した教育環境が整っている慶應のリハ医学教室で多くのことを勉強し、岩手に持ち帰ってさらに広めることが絶対に重要だ、と考え、後期研修のプログラムを決めました。
私はいずれ地元に戻り、医師不足に悩む岩手県の地域医療を支えていこうと考えています。詳しく話を聞いてみると、リハビリテーション科を専門として若いころから教育を受けたリハ科医の数は地域医療においては特にまだ少なく、それは岩手も同様、ということでした、ということでした。日本でトップレベルの研究・最先端の治療を行なっており、さらに充実した教育環境が整っている慶應のリハ医学教室で多くのことを勉強し、岩手に持ち帰ってさらに広めることが絶対に重要だ、と考え、後期研修のプログラムを決めました。

必要とされるのは知識のみならずリーダーシップまで
リハ科医になってすぐは内科とも外科とも違うリハビリ科の独特な患者の診方(患者さんの活動にフォーカスする科なので、初期研修で身につけた症候学とは考え方を変える必要があります)に戸惑いましたが、今まで多くのことを学びました。他の科では解決しきれなかった「活動」に問題を抱えた患者さんを支え、寄り添い、問題を解決する経験が多くできたと思っています。リハビリ科は厳然たるチーム医療の科で、リハ科医は学年・年齢に関わらずチームの指揮者として機能しなければならないので、患者さんを診ていればいいだけではありません。
ゆえに学習が必要な(医学知識のみならず、人の動かし方含めたチームマネジメントなどもリハ科医の重要な学習テーマです)範囲は多く、まだまだ知識・技術ともに足りないな、と思うことは多くありますが、日々発見が多く、楽しく経験を積むことができています。楽しく後期研修ができるのも、同期・指導医が多く、充実したバックアップのある慶應ならではかな、と思っています。研修医・学生の皆さんには是非一度見学に来て頂き、リハ科医の視点や慶應の充実した環境を体感して頂きたいと思います。
研究と臨床の相乗効果。そして大学院へ
私の母校には平成29年4月にリハビリテーション医学教室がようやく立ち上がりました。まだ誕生間もないですが、言い方を変えると成長余地しかない、と思っています。診療科として大きくなっていくことに加え、地域のリハビリテーション医療の水準を上げていくためにも研究は必要不可欠であると考えています。臨床と研究はシナジーがあり、研究で使うマインドセットで臨床に臨むと、よりロジカルになって、臨床の質が非常に上がるのです。皆さん研究というと少しハードルが高いイメージがあるかと思いま
すが、そんなことはありません。勿論大変なこと・忍耐が必要なことはありますが、凄い先生や、凄い他分野の研究者と話したり、新しい発見を得たときの喜びは何物にも代えがたいです。私は近い将来、地元でリハビリテーション医療を通じて地域医療を担っていきたいと思っています。そのためにもさらに体系的に学び、研究を並行して進め、将来しっかりとアウトプットできるようになることが重要であると思い、大学院進学を決めました。

何をやるかは自分次第。夢を持って
慶應の大学院では様々な科・分野の多くのスター研究者の授業があり、実際に疑問をぶつけることができます。また、自身の研究では幅広い範囲の中で自分自身が疑問に思ったことや興味を持ったことを題材に選ぶことができます。リハビリ科はほぼ全ての診療科と関係できる、つまり、臓器別・年齢別・性別などに縛られる必要がない、というユニークな科であり、それだけ研究課題も無数にあります。脳卒中後の麻痺や高次機能障害、嚥下機能障害、脊髄損傷、神経難病、脳性麻痺などなど挙げればキリがありませんし、これに加え最近は世界的にも注目されている再生医療や先進的なロボット・AIなどを利用した治療・開発にも関わることができます。さらに高齢化社会でのケアシステムの構築・行政とのタイアップ
など、社会問題の解決に上下から取り組むこともリハビリ科の重要な研究テーマです。これらのテーマを経験豊かな指導医による充実したバックアップ体制の中で研究できるところは日本のリハ医学教室でもなかなかないのでは、と思っています。
拙文でしたが、現在医師の中で最も求められている人材である「リハビリテーション科医」にまずは興味を持って頂けたらとても嬉しいです。是非一度見学に来て下さい。臨床も研究も自分のやりたいことが出来る、環境の整ったここ慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室で、一緒に皆さんと働ける日を心待ちにしています。
拙文でしたが、現在医師の中で最も求められている人材である「リハビリテーション科医」にまずは興味を持って頂けたらとても嬉しいです。是非一度見学に来て下さい。臨床も研究も自分のやりたいことが出来る、環境の整ったここ慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室で、一緒に皆さんと働ける日を心待ちにしています。
都築 圭太
岩手医科大学卒
2018年度入局 慶應義塾大学病院
2019年 慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程
動画編集、プログラミング、ファイナンシャルプランなど多彩な技能を持つ。常に多方面にアンテナを張りめぐらせており、話題が豊富。料理にも精通し、得意料理はエッグベネディクト。明るく温厚な性格で、後輩からは兄貴分として慕われています。
