教授挨拶

慶應義塾大学医学部

リハビリテーション医学教室

辻 哲也

 リハビリテーション科は、主に神経・筋・骨格系の異常にもとづく運動機能障害者を対象として、医学的治療や治療的訓練を実施する診療科です。

 疾患により生じた移動・身の回りの動作・コミュニケーションなどの障害に対して、失われた機能の回復を促すとともに、残存能力を最大限に高め、患者さんが家庭や社会に復帰できるように、最新の知識と高度な技術を統合して治療を行います。

教室運営のビジョン

 性別や出身、職種を問わず多様性に富んだ環境で、教室員が生き生きと意欲的に診療・教育・研究に取り組める魅力ある教室を構築します。

 教室員が能力を発揮できるように、人的・物的な環境整備を行い、教室員の成長を促進していきたいと考えています。

4つのミッション

 人材育成

 ・高度リハビリテーション・プロフェッショナル(医師・メディカルスタッフ)

 ・教授職を担える人材

 未来の開拓

 ・先端的リハビリテーション医療の開発 (がん・神経・再生医療)

 ・質の高い臨床研究の推進

 医療の質の飛躍的向上

 ・慶應病院全体の医療の質の向上

 ・先端的リハビリテーション医療の実践

リハビリテーション医療の均てん化

 ・慶應モデルの国内展開

 ・慶應モデルの海外展開

 

 リハビリテーション科専門医は全国的に数が少ない状況にあり、慶應系専修医コースにおいてPhysician-scientistの育成に努めます。

 大学院(博士課程・修士課程)に関しては、医師とともにメディカルスタッフを対象とし、高度リハビリテーション・プロフェッショナルを育成し、教授職を担える人材を輩出し、全国の大学講座化に貢献します。

 診療・研究に関してはがんリハビリテーション領域のトップランナーとして日本を牽引してきました。神経リハビリテーションも教室が精力的に取り組んでいるの柱のひとつです。研究段階の様々な治療戦略がありますので先進的治療の取り組みを加速します。さらには再生医療に関しては、細胞移植治療が発展していく中で、脳・脊髄・心臓などの臓器では構造化された再生リハビリテーションが必須になります。教室で培ってきた知見を活かして、基礎・臨床研究を推進し、診療を実践します。

 先達の努力によりこれまで大きく発展してきたリハビリテーション医学教室を更に進化させ、患者さんの療養生活の質の向上のために、研究開発や最先端の医療の実践とともに若い世代の育成に専心努力して参ります。

 ご指導ご支援のほどよろしくお願いいたします。