「脳卒中片麻痺患者における上肢到達運動(リーチ運動)評価のための臨床的評価尺度の開発」に対するご協力のお願い

1.研究題目

日常生活で手を使ううえで、上肢の到達運動(リーチ運動)は重要な役割を担っています。脳卒中を発症すると、運動まひ、痙縮(けいしゅく:筋肉のこわばり)、感覚障害、二次的に生じる上肢の痛みや関節拘縮(かんせつこうしゅく:関節が硬くなること)などにより、リーチ運動がうまく行えなくなることがあります。このようなリーチ運動の障害に対し、適切なリハビリテーションを行うためには、リーチ運動を客観的に評価する必要がありますが、これまでそのための評価法は報告されていません。本研究の目的は、リーチ運動を臨床場面で簡便かつ客観的に評価するための評価法を開発することにあります。

2.研究協力の任意性と撤回の自由

もし、ご自分のデータを使わないで欲しいという方は、その旨をお申し出下さい。ご協力頂かなくても、診療上の不利益を受けることはございません。一旦ご協力に同意頂いても、途中から撤回することは可能です。ただし、撤回の時期が結果の公表後のような場合には、撤回の効力は実質上ございませんので、ご了承下さい。

3.研究方法・研究協力事項

本研究では,通常の診療で行った評価やリハビリテーションの内容について、後日カルテからデータを集め、解析させて頂きます。評価の内容には、ビデオで記録したリーチ運動の動画も含みます。

4.研究協力者にもたらされる利益および不利益

通常の診療で集められたデータを用いますので、患者さんには特に利益や不利益を生じるものではございません。

5.個人情報の保護

提供していただいた診療情報は、慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室において,限られたスタッフのみがパスワードでロックされたパソコンで解析し、保管します。データが保管されたパソコンは,鍵のかかったロッカーに保管し、厳密に保存します。データ管理においては、個人情報を用いませんので、個人が特定されることはございません。

6.研究計画書等の開示

個人的な直接の利益はありませんが、社会的な利益として、今後のレシピエントの皆様の生活の質の向上を期待できることが挙げられます。 個人的・社会的な危険性としては、情報の漏洩が考えられるため、個人情報保護には万全を期するようにします。

7.協力者への結果の開示

あなたやあなたのご家族のご希望があれば、この研究の計画についてわかりやすく説明いたしますので、実施責任者にお申し出ください。

8.研究成果の公表

研究成果は個人情報を削除した上で学会発表され、研究終了後2年以内に医学雑誌等に学術目的のために公表する予定です。

9.研究から生じる知的財産権の帰属

この研究を通じて知的財産権が生じる可能性がありますが、それらは研究協力者には帰属しません。

10.研究終了後の試料取扱の方針

研究終了後、氏名と匿名化IDが記された対応表は、破棄され、データは完全に匿名化されます。

11.費用負担に関する事項

この研究に必要な検査はすべて通常の保険診療範囲で行われたものですので、協力していただくことによって追加的な費用負担はございません。

12.問い合わせ先

【研究代表者】里宇明元 慶應義塾大学病院 リハビリテーション科
〒160-0016 東京都新宿区信濃町35
連絡先:TEL:03‐5363‐3833(直通)FAX:03‐3225‐6014

本研究は後方視研究であるため、同意書は作成せず、説明書のみとします。